箕面市白島3丁目。大宮寺の森と呼ばれる鎮守の杜に貴重な照葉樹林が残っています。
その照葉樹林の植生を保ち、後世に引き継ぐために様々な活動をしている「大宮寺の森の会」の調査体験に参加しました。
頂いた資料によるとこの地には住宅開発計画があったそうですが、歴史的にも植生としても貴重な空間であることなどから保存へ向けて市民グループが箕面市へ働きかけを続けた結果、2002年に箕面市が中央公園予定地の一部として買い取ったのだそうです。
「大宮寺の森の会」では、この森に生えている高さ130cm以上の樹木約3,360本に番号を付けてその種類、サイズ、位置を調査・記録し続け、できるだけ人の手を加えず自然林の遷移を見守りながら、この貴重な森の大切さを知ってもらうために様々な活動をされています。
私たちは森を案内していただきましたが、会員の方々はこの日も範囲を決めて樹木の様子や太さ・高さなどを調査し記録されていました。
台風による倒木やナラ枯れ、オシドリが来なくなったこと、若い木が育っていることなど森の移り変わりのお話や、この森にあった住宅のこと、植物や神社のお話などなど興味深いお話が盛りだくさんで、あっという間に時間が過ぎていきました。
薄暗くやや湿った照葉樹林には日陰を好む植物・ヤブツバキやアリドオシ、ヒイラギなどが生えると教えてくださいました。いろんな種類のきのこもあちらこちらに生えています。
為那都比古神社に合祀された為那都比売大神が祀られていた社・為那都比売神社(西天王社・大婦天王社)はこの森にあったといわれていますが、その確かな位置は不明だそうです。
何ヶ所か平地があり社殿跡の候補となりますが、人がお住まいだったそうで住宅か何かの跡である可能性もあります。
長い年月をかけて育まれてきた自然は人の手で簡単に壊すことができてしまいます。この森を含め、山麓全体、箕面の自然は当たり前に存在しているわけではなくて、たくさんの方々の活動によって守られていることを実感した一日となりました。