箕面のお散歩

半夏生と、箕面の田んぼについて

箕面市田んぼ風景箕面のお散歩

箕面の田植えは6月頃

夏至(6月21日前後)から数えて11日目の7月2日前後から5日間を半夏生はんげしょうといい、田植えを終える目安なのだそうです。関西ではタコを食べる風習があります。
箕面でもそろそろ田植えが全て終りそうな様子です。

「6月?田植えなんかとっくに終わっている」という方がいらっしゃるかもしれません。

先日、「NPO花とみどりの街づくり・箕面」の方が箕面の田んぼのことを教えてくださいました。
箕面の田植えはだいたい6月に行われますが、この時期の田植えは今では全国的には珍しいそうです。

5月の連休・人手があるときに田植えを終わらせる、台風被害を避けるなど様々な理由で田植えの時期は早くなっているそうです。
田植えの時期を変えるということは、自然の生き物の生息サイクルに少なからず影響があるようです。
昔のリズムで稲作を行う田んぼと人のリズムに合わせた田んぼとでは、生息する生き物にどうのような違いが出てくるのかとても気になるところです。

箕面市田んぼ風景

粟生間谷(6/21)

箕面市田んぼ風景

外院(6/17)

半夏生とサナブリ、箕面では何をしていたの?

『箕面市文化財総合調査報告書Ⅰ/旧萱野地区・旧豊川地区』『箕面市文化財総合調査報告書Ⅱ/旧箕面地区・旧止々呂美地区』で半夏生とサナブリについての項目を読んでみました。
※一般にサナブリとは田植え終了のお祝いのことで田の神を送る行事だそうです。

田植えは夏至のころに桶がおりて代犂しろすきを済ませたあと、6月24日ころから始まった。
(『箕面市文化財総合調査報告書Ⅱ/旧箕面地区・旧止々呂美地区』より)

田植えの時期は夏至を目安としていたようで、遅くとも半夏生までには終わらせる、ということだったようです。

サナブリは田植え休みなどとも言い、ほとんどの地域で6月下旬~7月初旬でした。メンギョのように地域で一斉に仕事を休み、餅をついたり赤飯やおはぎを作ったり、家で生節やカシワ(鶏肉)のすき焼きなど御馳走を食べたりしたようです。

半夏生はハゲやハゲショウなどとも言い、「農作業を休む」「田んぼに入ってはいけない」という地域がほとんどでした。タコを食べる地域や、小麦粉や米粉で作った餡餅・団子を食べる地域もありました。

一部地域ではサナブリをハゲ(半夏生)とよんでタコを食べるなど、サナブリと半夏生の時期がかぶっていたために意識して区別はしていなかった様子です。

箕面市田んぼ風景

坊島(6/20)

箕面市田んぼ風景

坊島(6/20)

桜の米作りの機械化が完了したのは、圃場ほじょう整備が進んだ昭和50(1975)年ころのことである。
(『箕面市文化財総合調査報告書Ⅱ/旧箕面地区・旧止々呂美地区』より)

重労働であった田植えで疲れた身体を休ませるため、また、田をそっとしておかなければならない時期であるため、「収穫量が減るから」「枯れるから」「田がハゲるから」と様々な理由をつけて農作業を休む日を設けたのかもしれません。

美しい田んぼの風景も箕面の魅力のひとつといえるでしょう。
しかしながら農家の高齢化や市街化・道路整備にともない、この見慣れた風景も今少しずつ、変わりつつあります。

箕面市田んぼ風景

石丸・白島(6/17)

箕面市田んぼ風景

粟生間谷(6/17)

箕面市田んぼ風景

白島(6/7)

error:Content is protected !!