キク科のアメリカオニアザミは環境省・農林水産省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」に指定されています。葉や茎など全体に鋭い棘があり、触ると怪我をする恐れがあります。容易に触ることができないため除去も大変な植物です。
詳しくは以前ご紹介したアメリカオニアザミについての記事をご覧ください。
箕面市では『箕面からアメリカオニアザミをなくす会』という市民組織があり、市民から情報を集めて除去作業を行う活動をされています。
その活動の中でこ2020年夏発見されたのが箕面市北部・止々呂美地区の大群生地です。「NPO花とみどりの街づくり・箕面」ホームページにてこれまでの経緯など詳しい記事が掲載されています。
小さなロゼットを見つけては除去し、こぼれた種は拾い、除去できないものは報告し、できる範囲でそのような活動を続けているときに、この群生地を見に行った時は本当に言葉を失いました。
下の画像は高密度の群生地より少し北ですが、それでもこの数のアメリカオニアザミです。
茶色く綿毛を飛ばしそうになっているアメリカオニアザミは大変よく目立ち、自動車での移動中にも助手席からとてもたくさん発見しました。
箕面市外では茨木から東大阪方面へかけての近畿自動車道の高架下や中環沿い、国道9号線京都府園部町と南丹市の境付近で多く見かけました。いずれも自動車が安全に停車できず人が歩くのも危険な、業者に依頼するしかなさそうな場所でした。
箕面市外でもアメリカオニアザミへの注意を住民に呼び掛けている市区町村は多数あり、大阪府堺市では外来種ブラックリストを作成して除去の取組みが継続的に行われているようです。2017年には『ブラックハンター2017(アメリカオニアザミ)』と題して「アメリカオニアザミを見つけて駆除しよう!」というネットイベントが開催されたようです。『堺市の生物多様性を考えるWEBサイト 堺いきもの情報館/堺生物多様性センター』というサイトで詳しく掲載されていますので参考になさってください。
夏に開花して綿毛を飛ばしたアメリカオニアザミは枯れるそうです。
夏の終わり頃からロゼットや開花株を見かけることは少なくなりました。
種を飛ばす前の花の部分を持ち帰り、中を見てみると種がぎっしり詰まっていました。
発芽率と棘の様子を調べるために、綿毛を拾って採取した種を4つまいてみました。土は園芸用しか用意できませんでした。
水やり・水なし、日なた・日陰と環境を分けていたのですが、風で飛んでからわからなくなってしまいました。
6月28日に4つの種をまき、2つが発芽しました。Aの発芽を見逃し、Bの発芽は7月11日でした。
ふたばには棘はありませんが、少し顔をのぞかせた本葉にはもうすで棘がありました。
ポットが少し小さいかもしれませんので植え替えを検討します。