キク科箕面で見つけたお花

ハハコグサ(オギョウ・ホオコグサ)

ハハコグサキク科

キク科ハハコグサ属。在来種。春の七草のひとつ「御行おぎょう」。白い軟毛で覆われて全体が白っぽく見えます。花期は4~6月。
名称の由来は諸説あるようですが、この「ハハコグサ」という名称について植物学者の牧野富太郎博士の見方はやや厳しい印象です。

ハハコグサ(母子草)というと母が子をいつくしむすがたを連想し、いかにもほほえましい気分になりますが、ものの名前というものはそのむかし付けられたよび名を尊重すべきです。
ホオコグサとよぶよりハハコグサとよんだほうがなんとなくほほえましいからといって、むかしから伝えられている名を捨てて、かってに新しい名をつけることはよいことではありません。
ホオコグサはむかしからホオコグサという名をもっていた草ですから、今日でもホオコグサとよぶべきです。

『牧野富太郎植物記』より

母子草ははこぐさ父子草ちちこぐさはこじつけだという意見です。でも今日ではハハコグサと一般によばれているのでこのサイトではハハコグサと書きます。
ハハコグサにはコウジバナやトノサマタバコという名もあるそうで、その由来についても『牧野富太郎植物記』に詳しくありますので興味のある方にはおすすめの本です。

ハハコグサは七草粥だけでなく日常的に食用とされ、特に葉の白いやわらかい毛はもち米のなかった時代に餅のつなぎとして役立ったそうです。ヨモギの葉にも毛が多く、葉が大きく採集が楽ということで餅のつなぎにはヨモギが用いられるようになり、ヨモギを餅草とよぶようになりました。草餅にハハコグサの葉を用いる風習は一部の地域のみとなったそうです。

参考文献の『牧野富太郎植物記1 野の花1』(牧野富太郎・あかね書房・1974年)は箕面市の図書館で借りることができます。

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